ケーブルの買取を検討するなら、「ケーブル」と「銅ベース」の相関性を知ろう
ケーブルの価格は、銅ベースの影響を受けます。ケーブルを高く売れるときもあれば、安くなってしまうことも……。ケーブルの買取は、時期を見極めて慎重に判断すべきだと言えるでしょう。
とはいえ、どのタイミングでケーブルが値上がり、もしくは値下がりするのかを判断することは、決して簡単なことではありません。このような場合に、指標となると言われてきたのが「銅ベース」です。ケーブルと銅の価格には、いったいどのような関連性があるのでしょうか。近年の動向も踏まえて、わかりやすく解説していきます。
ケーブル価格と銅の価格、相関関係とは
ケーブルの主要素材は電気銅であるため、価格は銅相場の変動に大きく左右されます。
ケーブルの価格に即時に反映されるわけではありませんが、銅ベースを基準にケーブル価格の水準が決まります。
つまり、銅建値が下がればケーブルの価格も下がり、銅建値が上がればケーブルの価格も上がるというわけです。
両者の価格推移をみると、多少のタイムラグがありますが、ほぼ同様の値動きをしているのが分かります。
しかし、「銅ベース」は円相場などの為替市場や投機・投資マネーの存在など、外部要因にも影響を強く受けるため、随時価格が変動しており、日頃から銅ベースの値動きを確認し、相場のトレンドを確認しておくことや政治的な要因などの大きなニュースがないかを把握しておくこともケーブルの買取には大切なことです。
近年の銅相場の動きについて
2022年03月には国際価格が過去最高値を更新しているなど、近年の銅価格は価格高騰が続いている状況です。
近年の銅価格の上昇要因として、「新型コロナウイルス」「脱炭素化の推進」「ロシアによるウクライナ侵攻」の大きく3つの要因が挙げられます。
新型コロナウイルス
全世界的に新型コロナウイルスの感染者が増加し始めた2020年の初めごろから、多くの国では感染防止のためにロックダウンや緊急事態宣言などの対応措置が取られ、経済活動の縮小・停止を余儀なくされました。
その影響により、チリやペルー、中国などにある主要な銅鉱山での採掘が滞り、需給バランスが崩れたことが価格高騰の原因だと考えられています。
またコロナ禍によって、リモートワークに使われるPCやタブレットの需要が高まり、それに合わせて、これら電子機器の部品に使用される銅需要が急増したことも要因の一つです。
さらにコロナ禍は、銅の消費大国である中国経済にも大きな影響を与えました。中国ではゼロコロナ政策を推し進め、上海や広州など各地でロックダウンを実施したことにより、経済活動が大きく低迷しましたが、2020年夏頃からは回復を始めています。
その景気回復のスピードに、銅の供給が追い付かずに品薄状態となったことが価格高騰に影響を及ぼしています。
また銅の流通を担う港湾施設労働者の不足や銅を保管するコンテナが不足したことも、価格高騰に少なからず影響を与えています。
脱炭素化の推進
現在、EV(電気自動車)や再生エネルギー発電システムの開発など、従来の石炭や石油に依存しない「脱炭素社会」への動きが加速しています。脱炭素社会への推進のためにレアアースやレアメタルなど、さまざまな資源が注目されていますが、その中で最も必要性の高い資源は銅だと考えられています。
例えば、10GWの養生風力発電設備を建設する場合、経済産業省の試算によると約11万トンの銅が必要になるとされており、これは現在の日本国内需要の約10%に相当します。
EV(電気自動車)を製造する場合に使用される銅の量は、現在のガソリン車の約3~4倍に該当します。100万台のEV(電気自動車)を製造すると約8万トンの銅が必要とされています。
「銅は原油に代わる資源となる」との意見は増えており、今後も脱炭素分野における銅のニーズは高くなると考えられています。それに伴う蓄電池の普及も進むため、銅の価格高騰に影響を与える可能性があります。
ロシアによるウクライナ侵攻
2022年02月24日に始まった、ロシアによるウクライナ侵攻も銅の価格高騰に影響を与えています。
現在、アメリカやヨーロッパを中心とした西側諸国による経済制裁を受けているロシアですが、元々は天然ガスなどを輸出する世界有数のエネルギー大国であるとともに、触媒に使用されるパラジウムやアルミ、ニッケル、銅の産出国でもあります。
しかし、2022年03月、アメリカのブリンケン国務長官が「バイデン大統領はロシア産原油の禁輸を同盟国と検討している」と発表したことで、エネルギー資源だけでなく銅価格の高騰にも思惑が広がり、冒頭で触れた銅の国際価格の過去最高値の更新に至りました。
西側諸国はウクライナ侵攻が続く限り、経済制裁を緩めない姿勢を示しており、さまざまな材料分野の価格面に長く影響を与えると考えられています。
銅ベースを受けやすいケーブルと、受けにくいケーブルとは?
一口に、ケーブルといっても多種多様な種類があり、銅ベースの影響を受けやすいものとそうでないものがあります。下記のグラフで大まかに分類することが可能です。
銅ベースの影響を受けやすいケーブルの場合
ケーブルの直径が大きなものは「ふともの」とよばれ、銅の含有率(使用率)が高くなるため、より銅ベースの影響を受けやすくなります。
逆に直径の小さなものを「ほそもの」といい、逆に銅の含有率(使用率)が低くなるため、銅ベースの影響が小さくなります。
常に銅ベースの価格推移を確認しつつ、タイミングを見計らった買取が望ましいといえます。
銅ベースの影響を受けにくいケーブルの場合
銅ベース変動の影響を受けにくい場合は、ケーブルの価格も大きな変動はありません。
そのため、ケーブルの買取価格の変動も少なく、買取依頼をする際も、銅ベースの価格推移を気にすることなく、不要になった際にいつでも気軽に売却ができます。
銅ベースの影響を受け難いケーブルを売る際には、ケーブルの買取専門店や売却ロット数が多いほど、買取価格が高くなるお店を選ぶことも大切です。
ケーブルの買取は、銅相場も見極めて
全世界で取引される銅は、世界経済のトレンドに合わせて常に変動しています。銅ベースの過去の価格推移とこれからの価格推移を予想した上でケーブルの買取を検討することをお勧めします。
近年、高値で推移している銅価格ですが、将来の値動きを事前に予測するのは非常に難しいといえます。この上昇トレンドに反して急反落する可能性もあり、しっかりと銅ベースの傾向などを見極めながら買取のタイミングを見逃さないことが大切です。
とはいえ、不要なケーブルをただ保管していてもコストばかりがかかってしまいます。「手持ちのケーブルが、どの位の価格で買い取ってもらえるか知りたい」という場合には、まず買取専門店などの無料査定を利用して、現在の価格を調べることから始めるのも方法の一つです。
今後の流れを見極めながら、最適なタイミングでケーブルを売ることが高価買取のポイントとなります。
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